COOLPIX B700で鳥を撮るのはとてもたのしい。
光学ズームなら焦点距離1440mm相当(35mm判換算)までいけるので、望遠鏡のような感覚で鳥を探して撮ることができる。
この日は、トラツグミを発見した。
トラツグミ
トラツグミはその名のとおり、トラのような模様を持つ鳥だ。全長30cmぐらい、スズメ目ヒタキ科の鳥だ。
写真では少しわかりにくいかもしれないが、頭から背中にかけての模様は金色と黒。
かなりゴージャスな色合いをしており、実際に目にするとその美しさに圧倒される。
光の加減で色合いが違って見えるのも面白いところで、1枚目の写真のようにあまり金色っぽく見えないこともある。
2枚目の写真は、地面に降りてきたところである。こうしたやや暗めの場所に来ると、金色が際立ってみえる。
トラツグミは、主に平地から山地の林で見ることができる。
地域によってはよく目にすることもあるようだが、私の住んでいるあたりではけっこうレアな鳥だ。
だが、この模様である。少し目を離すと、枯れ葉にまぎれてしまって見失うことも多い。
この日は、葉っぱをかきわけて虫を探していた。
B700で撮るには
今回はトラツグミに遭遇したのは山の中。人慣れしていないようで、こちらの気配を感じるとすぐに距離を置かれてしまう。
こういった場面では、成功しても失敗してもいいので、まず鳥の姿を撮ることが大切だ。
これは、トラツグミをみつけた時にまず撮った写真だ。
露出や色合いが設定しきれていないが、このようなショットでもとりあえず撮っておけば「逃げられてしまい、1枚も撮れなかった」というのは避けられる。
これは鳥が近くにいても遠くにいても同じで、まず1枚撮っておくと気持ち的にずいぶんと楽になる。
色のころび
B700はホワイトバランスがおおざっぱで、まわりの色に盛大に引っ張られることが多い。
もともと黄色っぽく写ることが多い上にこれなので、撮るときの設定がとても難しい。が、たいていの場合は、やや青みを強くする、あるいはマゼンタを強めにすると解決することが多い。
要はイエローやグリーンをマイナスにするわけだ。とっさに設定するのはなかなか大変だが、この性質を知っておくと調整しやすくなるように思う。
連写か単写か
さて、B700で鳥を撮るときに悩ましいのが連写でいくか単写でいくかである。
私の場合でいうと、単写で撮っている。
というのも、B700はレリーズタイムラグといって、シャッターボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでに微妙なラグがある。
また、センサーサイズが小さいため、シャッタースピードにも限界がある。
つまり、鳥のようによく動く被写体だと、シャッターが切れた時点でピントがはずれてしまい、そのまま連写というケースが大変に多い。
被写界深度を深くできればいいのだが、これもセンサーサイズの小ささから、F値を上げる(絞る)と、ただでさえ苦しいシャッタースピードがさらに苦しくなる。
つまり、ある程度、先読みしながら、単写を重ねるほうが成功率が高いように思う。
鳥はできるだけ目にピントを合わせたいので、ピントを合わせるチャンスが多いのに越したことはない。