K-70で使えるマクロレンズに
- TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
- smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR
があります。
両方とも評価の高いレンズで、どちらにするか迷っている方も多いかと思います。私もずいぶんと迷いました。
2つのレンズの比較と、それぞれの特徴をピックアップしてみました。購入を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
TAMRON 90mmとD FA100mmの違い
スペック比較
どちらを選んでも後悔はないといわれる「TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO」と「smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR」ですが、スペック表をみるといろいろな違いがあります。
タムロン90mm | D FA 100mm | |
レンズ構成 | 9群10枚 | 8群9枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚 | 8枚 |
焦点距離 | 90mm(換算135mm) | 100mm(換算150mm) |
最大撮影倍率 | 1:1 | 1:1 |
最短撮影距離 | 0.29m | 0.303m |
開放F値 | F2.8 | F2.8 |
防滴 | なし | 簡易防滴 |
QSFS | なし | あり |
最大径・長さ | 71.5×97mm | 65×80.5mm |
重さ | 約405g | 約340g |
フィルター径 | 55mm | 49mm |
近いスペックといわれている両レンズですが、こうしてみるといろいろな違いがあることがわかります。
焦点距離
どちらも中望遠といわれる焦点距離のレンズになります。APS-C機につけると、焦点距離を1.5倍した画角になります(ペンタックス公式では1.53倍で計算)。
換算すると、タムロン90mmがおよそ135mm相当の画角、DFA 100mmがおよそ150mm相当の画角になります。
写る範囲はD FA100mmのほうが狭くなりますが、その分、タムロン90mmよりも遠くのものを大きく写しやすくなります。
最短撮影距離
最短撮影距離は、被写体にどこまで寄れるかを表しています。
スペック的にはタムロン90mmが0.29m、D FA100mmが0.303mとなっています。
・・・が、同じ位置から撮る場合、D FA100mmはタムロン90mmよりも少し大きく撮れますので、パフォーマンス的には両レンズとも同等と考えてよいかと思います。
簡易防滴・QSFS
両レンズの機能面での大きな違いが、簡易防滴とQSFS(クイックシフト・フォーカス・システム)の有無です。
どちらもタムロン90mmにはなく、D FA100mmのみにあります。
QSFS(クイックシフト・フォーカス・システム)は、AFで合焦した後にフォーカスリングでピントの微調整ができる機能です。より細かいピント合わせができるので、マクロ撮影に便利な機能です。
つづいて、それぞれのレンズの特徴をみていきましょう。
TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACRO
TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACROはフィルム時代から定評のあるレンズで「伝説の名玉」ともいわれるレンズです。
やわらかい描写と自然なボケが特長で、マクロ撮影のほかポートレート用としても人気のレンズです。D FA100mmよりも安く買えるのも魅力で、中古なら2万円前後で手に入ることもあります。
ただ、ペンタックス用は2004年発売のものが現行品で、今のレンズに比べると設計が古いところがあります。また、防滴仕様ではないため、水に濡れるような場所での撮影はNGです。
が、一度このレンズの描写を知ると、やみつきになる魅力があります。
smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR
「smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR」は、ペンタックス純正のマクロレンズです。
中古で「smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8」が安く出ていることがありますが、現行品は「smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR」になります。
開放からキレのある画質がたのしめるレンズで、マクロ撮影から中望遠レンズとしての撮影までオールマイティにたのしめます。
簡易防滴、QSFS(クイックシフト・フォーカス・システム)対応も純正だからこそ。純正マクロなら必携!という声も多いレンズです。
タムロン90mmに比べるとボケはやや硬め。シーンによっては、二線ボケやパープルフリンジが出る場合があります。
描写のタムキューvs使いやすさの純正
ここからは、選ぶポイントをピックアップして書いていきます。
描写
画質に関しては両レンズとも非常にすばらしいものがあります。
やわらかさのタムロン90mmか、ほどよいシャープ感のあるD FA100mmかといったところですね。
タムロン90mmはフィルム時代の流れを汲んだ写り、D FA100mmはいい意味でのデジタルらしさが感じられます。
描写に関しては、純粋に「どういう写真を撮りたいか」「どんな描写が好きか」で選んでよいかと思います。
ただ、いろいろな写真をみていると「smc PENTAX-D FA マクロ 100mm F2.8 WR」のほうは、二線ボケやパープルフリンジがやや出やすいような印象があります。
操作性
D FA100mは基本機能に加えて、QSFS(クイック・シフト・フォーカスシステム)がついています。
AFからMFの切り替えがシームレスにできる機能ですね。AFが苦手な被写体でも、そのままピントの微調整ができるのは本当に便利です。
TAMRON 90mmはこの機能がないので、普通のレンズと同じようにAFとMFを切り替えながら撮る必要があります。
簡易防滴
D FA100mmは簡易防滴になっていますが、TAMRON 90mmは防滴仕様ではありません。
簡易防滴であれば、多少の水分は気にせずに撮ることができます。このあたりは撮るシーンにもよるかと思いますが、雨を気にせずに撮りたい場合はD FA100mmは便利ですね(本体も防滴仕様の場合)。
私の場合
おしまいに、私の場合を書いておきます。私は迷いに迷って、TAMRON SP AF90mm F2.8 Di MACROを選択しました。
機能的にはD FA100mmのほうが便利そうだったのですが、両レンズの撮影例をみているうちに、タムキューならではの描写に惚れ込んでしまいました。
非常に満足しているのですが、撮影している時にたまに「ここでQSFSが使えればなあ」と思うこともあります。
どちらを選んでも後悔しないけれど、片方を買うともう片方が気になる。買ってからも悩ませてくれるレンズたちでもあります(笑)。